熊取事業所 ダクト改造工事における排気ダクト内部での多量のウラン粉末の滞留に関する事象の概要と原因、再発防止対策について
2023年12月01日
2023年2月から5月にかけて実施した当社熊取事業所の新規制基準対応に係るダクト改造工事に伴い、排気ダクト内に滞留していた多量のウラン粉末を回収いたしました。本事象により、地域の皆さまをはじめ、関係者の皆さまに多大なるご迷惑やご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。
なお、本事象は2023年11月22日に開催された第46回原子力規制委員会において、原子力規制検査の検査指摘事項・パフォーマンス劣化(重要度評価:追加対応なし、深刻度評価:SLⅣ(影響が限定的)・通知なし )と判定されました。
本事象における概要と原因、再発防止対策を下記のとおりお知らせいたします。
1.事象概要
2023年2月から5月にかけて実施した当社熊取事業所の新規制基準対応に係るダクト改造工事において、加工施設 第1種管理区域(ウランを直接取り扱う区域)の混合室排気ダクト(*1)(以下「当該ダクト」という。)から合計約170 ㎏のウラン粉末を回収いたしました。
これらは、原子燃料加工時にウラン粉末を取り扱っている設備フードボックス内(*2)のウラン粉末が当該ダクト内に少しずつ吸い込まれ、滞留したものでした。
なお、当該ダクトはウラン粉末等の閉じ込めの機能を維持しており、放射線量や臨界、漏えい等の問題がないことを確認しております。
(*1) 混合室排気ダクト=当該ダクトは、多量のウラン粉末を取り扱う粉末混合機等から排気する系統の一部であり、ダクト下流にはヘパフィルタを設置しており、放射性気体廃棄物を適切にろ過した上で排気口から施設外へ排気することにより屋外に放射性物質が放出されることを防止している。
(*2) フードボックス=設備で取り扱うウラン粉末を閉じ込めるために設置する設備全体を覆うポリカーボネート製のボックス。
2.原因
当該ダクト以外の排気ダクトに対しては定期点検を実施し、ウラン粉末を回収していましたが、当該ダクトは、フードボックスに囲まれて日常的にアクセス可能な位置になかったこと、新規制基準対応工事に際して当該ダクトを改善することとしていたため、保安規定第62条の6(保全計画の策定)に定める点検計画から漏れていました。
3.再発防止対策
(1)ハード対策
ウラン粉末等の滞留を想定し改善を計画していたことから、新規制基準対応工事に伴って次の改造を実施しました。
♦ 排気下流側へのウラン粉末等の滞留を防止するため、角形ダクト(排気集合ダクト)の位置を変更。
♦ 角形ダクト(排気集合ダクト)内部の確認とウラン粉末回収のための点検窓を設置。
♦ 角形ダクト(排気集合ダクト)へのアクセスルートを確保するため、フードボックスの形状を変更。
(2)ソフト対策
♦ 当該ダクトも点検計画表に定めて定期的な点検を実施。
♦ 点検の結果、ウラン粉末の滞留が認められた場合は回収。
本事象の発生により関係者の皆様に多大なるご心配をおかけしましたことを、改めて深くお詫び申し上げるとともに、再発防止対策の着実な実行に取り組んでまいります。
本件に関するお問い合わせ先
熊取事業所業務管理部 米森、葉山宛
TEL:072-452-7211