代表取締役社長 伊藤 卓也

当社は、1972年に総合原子燃料メーカーとしてスタートしました。日本で唯一、沸騰水型原子炉(BWR)と加圧水型原子炉(PWR)の両タイプの原子燃料製造メーカーとして、50年以上にわたり無事故で高品質な原子燃料を供給してきた会社です。また、原子力発電所の安定的な運転に必要な機器の供給とメンテナンスサービスを主とするエンジニアリング事業も展開しています。
東日本大震災以降、日本の原子力発電を取り巻く状況は大きく変化しました。しかし、日本はエネルギー資源が乏しい国です。温暖化問題等、環境問題への取組が緊急かつ重要な課題です。日本の豊かな自然環境を守るためには、多様なエネルギー源を最適に組み合わせて使っていく、柔軟なエネルギー戦略が大事です。今、原子力発電は、日本の重要な脱炭素電源の一つと考えられています。当社は、原子力発電のための原子燃料を安全・確実に供給し、日本の脱炭素電源の確保に貢献します。
当社の強みは、当社の製品である原子燃料の品質の高さです。原子炉内部の過酷な環境(高温・高圧・高流速・高放射線)においても、設計・製造に起因するトラブルは一度も起こしたことがありません。原子力には、非常に高い精度のモノづくりができる設備と人材、そして技術が必要ですが、当社にはこれらが揃っています。安心できる原子燃料を常に提供し続けることで、お客様から高い評価をいただいています。
当社のもう一つの強みは、50年以上にわたる原子燃料の加工事業に加え、エンジニアリング事業を事業の柱として持っていることです。例えば、再処理された使用済み燃料から取り出されるプルトニウムを利用して、これを原子燃料として再利用する「原子燃料サイクル」にも関与しています。この仕事には原子燃料加工とエンジニアリングの両方の知識、技術が必要であり、当社の強みを生かした事業領域となっています。
エネルギー資源が乏しい日本において、貴重なエネルギー資源であるウランを有効に活用し、また、原子燃料をより一層確実に供給できるよう取り組むことは重要なことです。当社は、原子燃料サイクルを支える会社として新たな価値の創造を目指します。
当社は地域の皆様との関係を大切にしています。小さなこともオープンにお伝えし、何かトラブルがあった時にもいち早く情報共有する姿勢を持ち続けています。今後も安全な工場運営を基礎として、透明性のある事業活動を継続することを通じて、地域の皆様に安心していただき、信頼関係を裏切らないということが不可欠だと考えています。
当社は、2018年に東芝のグループ会社になりました。東芝の原子力発電プラント全体を設計、供給する技術と当社の原子燃料・エンジニアリングの技術と組み合わせることで、より総合的で幅の広い事業をグループとして展開できると考えています。両社の強みを活かしながら、 エンジニアリングの技術を持つ原子燃料メーカーとして、より優れた原子力エネルギーの開発に携わり、日本の原子力産業の発展に貢献します。